ICOの謳い文句でよく使われるのが「ブロックチェーン技術を使って世界を変える」というもの。
これまで行われてきた様々な仮想通貨のICOでは色とりどりの素晴らしいビジョンが描かれたホワイトペーパーが公開されてきました。
しかし、ほとんどのビジョンが実現や実用化には至っていないのが現状です。

そんな中、SBI Ripple Asia株式会社は同社が事務局を務める「内外為替一元化コンソーシアム」において参加銀行と、スマートフォン向け送金アプリ「マネータップ」を共同開発しました。
SBI Ripple Asia株式会社と参加銀行とで共同開発されたマネータップですが、送金する通貨は日本円ですので仮想通貨「XRP」との直接的な関係は無いので要注意です。

マネータップのサービスを利用するのにXRPは使わないです。
しかし、マネータップシステムには「Xcurrent」というXRPのブロックチェーンを応用して開発された技術が利用されています。

マネータップ（Money Tap）の仕組みを詳しく解説！

マネータップでできることは「銀行間での直接的なお金のやり取り」です。

具体的に説明すると「携帯電話番号・口座番号・QRコードを利用していつでも少額の送金ができる」というのがマネータップの強みです。
感覚的に考えると「LINEPayやApplePayと変わらない」と感じられるかもしれませんが、マネータップはLINEPayやApplePayとは違い、送信先の銀行口座との紐づけ操作が不要です。

その理由として、マネータップが従来の「銀行振り込み」とは全く違う仕組みで送金することができるからです。

従来の銀行振り込みによる送金とマネータップでの送金について比較してみましょう。
例えば、X銀行からY銀行への送金を考えます。
従来の銀行振り込みによる国内送金の場合、送金時の振り込み情報は「X銀行→全銀（決済システム）→中央銀行→全銀（決済システム）→Y銀行」という経路をたどり、送金が行われます。

そのため、従来の送金システムの場合は時間もコストもかかってしまいます。
また、送金できる時間帯に制限があったり、銀行が休日である土日祝日は送金ができないということもあります。
しかし、マネータップの送金時の振込情報は、「X銀行→Y銀行」と、比較的シンプルになっています。

マネータップでは、リップルの製品である「Xcurrent（エックスカレント）」というソフトウェアが利用されています。
Xcurrentは、簡単に説明すると「異なる金融機関との資金のやり取りをリアルタイムにでき、その送金情報を可視化させることができるソフトウェア」だと言えます。

Xcurrentを応用することにより、マネータップでは「24時間利用可能なリアルタイムでの送金」を実現することができたのです。

マネータップができることまとめ

2018年11月現在で、マネータップの取扱金融機関は「住信SBI銀行」「スルガ銀行」「りそな銀行」の3行です。

マネータップを使えば、あらかじめ3行のいずれかの金融機関を登録しておくことによって、他の金融機関との紐づけなしにお金を送金することができます。
支払いの際は「QRコード」か「送金先の口座番号」、または「送金先の登録携帯電話番号」を利用します。
さらに、1回3万円、1日10万円までの送金なら送金手数料は無料です。

となります。少額の送金に限りますが、いつでもスムーズに送金ができるアプリというわけです。

マネータップはいつからリリースされている

マネータップがリリースされたのは2018年10月4日ですが、住信SBIのホームページでは3月7日にティザーサイトが公開されました。
ティザーサイトの公開時には、ブルムバーグなどの世界的なニュースサイトにも掲載されるほどの話題になったそうです。

日本では「リアルタイム送金」というのはあまり馴染みがありませんが、海外ではマネータップと同様のサービスがたくさんあります。
マネータップは現段階では「個人間」で「国内」の送金のみのサービスですが、海外では法人間の送金や海外への送金でブロックチェーン技術を利用して行っている事例も少なくありません。
マネータップも将来的には「為替機能」の実装が考えられているそうです。

法人化についても前向きに考えており、将来的には「アルバイト代の日払い」といった法人向けソリューションの提供をめざすことを表明しています。

参加銀行と振込手数料について

マネータップの送金元として、現段階で「住信SBI銀行」「スルガ銀行」「りそな銀行」のみが登録可能です。

しかし、今後も対象金融機関は増える予定で、現時点でも61行が参加銀行となる予定です。
「ゆうちょ銀行」や「埼玉りそな銀行」、「みずほ銀行」「三菱UFJ」などの大手銀行だけではなく「楽天銀行」などのネットバンキングも、対象金融機関となる予定です。
いずれの銀行についても、振込手数料は無料で利用できる予定です。

こんな方は使った方がよい！マネータップのメリット

マネータップを使ったほうが良い方は、頻繁に少額の送金を行う人だと言えます。
例えば、「貯金用」「旅行費用」など用途別に複数の口座を保有している方。
このような方は、給料日にマネータップを利用してそれぞれの口座へスマホ一台でお金を送金することができます。

また、大学生の子供に毎月仕送りを送っているお父さんも、少額であれば毎月の送金をマネータップで行ったほうが便利ですね。
まとめると、「住信SBI銀行」「スルガ銀行」「りそな銀行」を送金元としており、わざわざ銀行に足を運ぶのが面倒で、毎月少額を他の口座や他の人に送金したいという方はマネータップを使ったほうが良いです。

こんな方は使わない方が良い！マネータップのデメリット

まず、現段階では送金元として「住信SBI銀行」「スルガ銀行」「りそな銀行」のみが対象ですので、この3行いずれにも口座を持っていない人はマネータップを使うことができません。
また、「1回3万円、1日10万円」までしか送金ができないというのも、そこまで頻繁に送金しない方や、多額のお金を1口座だけに送金したい方などにはあまりうれしくありませんね。

特に、月に1回程度大きな金額を送金したいだけなら、マネータップを利用することをあまりおススメできません。
大きな金額を毎月1回程度送金するのであれば、むしろ「住信SBIネット銀行」を利用するほうがおススメです。

住信SBIネット銀行なら、金額がいくらでも月1回以上は無料で送金ができます。

マネータップ（Money Tap）のダウンロード・登録方法

ここからはマネータップを利用するまでの登録方法について紹介します。とはいっても特に難解な設定などはありませんのでご安心ください。

マネータップをスマホにダウンロード

まずはスマホへのダウンロードです。
アンドロイドならGooglePlay、iPhoneならiTunesでマネータップをダウンロードしましょう。

マネータップのアカウント登録

インストールをすると、最初に上記のような画面が開きます。

【サインアップ】をタップして、利用規約を確認したら次の画面へ進みましょう。

次に、アカウント名・氏名・電話番号・メールアドレスを登録します。
アカウント名は本名じゃなくても大丈夫です。

全てを入力して次の画面に進むと、登録したメールアドレスと携帯電話のSMSに、それぞれ合計2つの「認証番号」が送られてきます。
2つの認証番号を入力すれば、マネータップのアカウント登録は完了です！

マネータップの送金元の銀行の登録

最後に、送金元の銀行の登録をすれば、すぐに送金できる状態になります。
操作自体は非常に簡単で、インストール～送金まで5分足らずでできそうですね。

マネータップ（Money Tap）のツイッターでの評判・反応のまとめ

最後に、マネータップを実際に利用した方の意見をTwitterで集めてみました。

マネータップを使っての支払い！送金完了画面が出てから1秒経たないうちにお店側の口座に着金！

思わず皆で「おお～！」って言っちゃったよ～！

イタリアンめちゃくちゃ美味しいし、アクセスも良い！皆も来てみてー！！@XRP_Rustyhttps://t.co/oArvbASJNR#マネータップ #イルゼランテ pic.twitter.com/gAiedHi6xk

— えりしー@仮想通貨漫画プレママ (@erishiiiii) 2018年10月6日

キャッシュレスの便利さはすごい❗️

その中でも #マネータップ 使ったけど本当に良かった。

キャッシュレスで大事なのはみんなが使い始めること

普及しないと便利なものではない

振込即で、手数料なし、入力簡単

最強だと思います！https://t.co/BmkuFvnJnG

— ゆきち/元消防士ブロガー (@yuki_one2) 2018年11月4日

公開後すぐ使ってみたけど
ひと言「便利」

今後も提携先は増えるだろうし益々便利になるでしょうね
俺なんかが言わなくても優秀なリップラー達からがんがん要望出てブラッシュアップされるでしょうしｗ

本当に期待してます#MoneyTap #マネータップ https://t.co/CbegcM201r

— 顎鬚姫69　貯XRPist　曲げ師 (@agohigehime69) 2018年10月5日

マネータップを使ってみたけど、

普及すれば世界がかわる。
簡単で使いやすいUI。
電話番号で送れるのが便利すぎ。

送金履歴だけじゃなくて入金履歴も見えるようにしてほしい。#マネータップ

— 相田要チェック彦一 (@yo_check_yahhh) 2018年10月4日

どのツイートも評判は好評なようで、特に「早い」「簡単」という感想が目立ちますね。

マネータップの公式ホームページを載せておきます。

マネータップの公式はこちら

万が一、マネータップを利用していてエラーが発生したり、マネータップをインストールしているスマートフォンを落としてしまったりした場合は、ホームページ内の「お問い合わせ」ページよりメッセージを送りましょう。

リップルの技術「xcurrent」、「xrapid」は期待されている

以上、マネータップについての紹介でした。
マネータップはリップル社が開発した「xcurrent」を利用して作られた「24時間無料で送金できるスマホアプリ」です。
しかし、現段階では送金元として指定できる金融機関が少なく、「1回3万円・1日10万円まで」という少額の送金しかできないというデメリットもあります。

ただ、将来的には銀行数が増える見込みや、法人向けサービス・外国為替送金サービスを始めるめども立っており、非常に将来性があるアプリだとも言えます。
リップル社にはマネータップに使われている技術「xcurrent」と同様に、海外送金に利用される技術として「xrapid」があります。

「xrapid」は海外でも実用化が進んでいる技術で、先日行われた試運転では以下のようなコスト削減が予見されるという結果が発表されました。

「xrapid」と同様に、「xcurrent」の技術を応用したマネータップも、金融機関にかかるコストの大きな削減が期待されています。
いずれはマネータップが私たちの生活に欠かせなくなる時代が来るかもしれませんね。